アスカラール

「降りますよ」

真生に声をかけられて、美都は彼女と一緒に車を降りた。

「えっ…?」

目の前の店を見た美都は訳がわからなかった。

(ここって、セレクトショップだよね…?)

寄り道とはここを指差しているのだろうかと、美都は疑問に思った。

「入りますよ」

真生にうながされて、美都は目の前のセレクトショップへと入ることになった。

「いらっしゃいませ」

店内に入ると、店員にあいさつをされた。

真生は店員に歩み寄ると、
「有栖川です、彼女に例のものを」
と、言った。

(れ、“例のもの”って何のことを言ってるの?)

美都はますます訳がわからなくなってしまった。

「はい、かしこまりました。

それでは、どうぞこちらへ」

店員は笑顔で恭しく頭を下げると、美都に奥の方へ行くようにと言ってきた。