アスカラール

「うん、お礼がしたい」

成孔が言い返した。

「お、お礼って…あれは、夏祭りにつきあってくれた私のほんの気持ちなので、お礼は…」

「ダメかな?」

美都をさえぎるように、成孔が言った。

「…ダメではないですけど」

そんなことを言われてしまったら、どうすることもできない。

成孔と話をするたびに、成孔の声を聞くたびに、心臓がドキドキと脈を打っている。

(聞かれていないよね…?)

美都はギュッと、スマートフォンを握りしめた。

「8月27日なんだけど」

成孔が言った。

「8月27日、ですか?」

その日を言われた美都は驚いた。

何故なら、その日は美都の誕生日だからだ。

「その日、空いてるかな?」

成孔が聞いた。