アスカラール

その日の夜。

美都が風呂からあがって自室に入った時、スマートフォンの画面がチカチカと点滅していることに気づいた。

画面をタップして確認をすると、成孔から電話の着信があった。

成孔に電話をかけると、
「もしもし?」

彼はすぐに電話に出た。

「美都です、こんばんは」

そう言った美都に、
「こんばんは」

成孔は言った。

「何か用事ですか?」

そう聞いた美都に、
「オランジェットありがとう、とても美味しかったよ」

成孔が答えた。

「そうですか、ありがとうございます」

手作りのオランジェットを褒めてくれたことが嬉しくて、美都はお礼を言った。

「それでオランジェットのお礼がしたいんだけど…」

そう言った成孔に、
「えっ、お礼ですか?」

美都は驚いて聞き返した。