俺がこんなに好きなのは、お前だけ。



固まった。

なんでもないように、平気で嘘をついた発言をした大志くんに驚いたのもあるのだが、一瞬自分の頭を駆け巡った妄想に身体が硬直した。


それってまさか、私のため……じゃないよね?

下校のとき、またひとりで帰れない私のことを配慮した結果ってわけじゃ、さすがにないよね?



──「俺がお前のこととことん守ったほうが安全なのか……」


昨日の言葉を思い出して、ドキドキがまたさらにスピードをあげた。



「じゃあ俺は帰っかなぁ」

「……ねぇ、大志くん」

「ん?」

「大志くんも来ない?勉強会」

「え?」



立ち上がった大志くんに、ひらめいた言葉をそのまま口走る。

我ながらとてもいい考えだと思う。



「なんで、俺が……」

「だって私たち友だちなんでしょ?お願い、お願い!仲良い人いなくて困ってたの!」



それも本当の理由に違いはないけれど、大志くんも同年代の子たちともっと本気で向き合ったほうがいいと思うの。


放課後は大志くんだって実はみんなと一緒に騒ぎながら帰ったり、遊んだり、勉強会だってしたいはず。きっとそう!



「なんで俺が……」

「私を助けると思って……!」



顔の前で両手を勢いよく合わせた。その勢いに引き気味に顔を引きつらせた大志くんなんて私としては無視。


と、そのとき。廊下のほうから床とうわぐつが擦れる足音がして、ふたり同時に視線をずらした。