俺がこんなに好きなのは、お前だけ。



ムッとして、佐野大志を睨みつける。
すると彼が「……まあ、せいぜい頑張れよ」と私の肩に触れながら、半笑いで横を通りすぎて行った。


ちょっと、セクハラしないで!ばか!


心のなかで反復するイライラ。なんで学校以外で会っちゃうんだろう。本当に運が悪い。早くこの雑誌たち買って、帰ろう。


そう、歩き出したとき、前を見ていなかった私は今度こそ誰かとぶつかって、尻もちをついてしまう。持っていた雑誌たちは地面に散らばった。



「わ、ごめん!大丈夫!?」

「いたたた……」



打ちつけた腰をさすりながら、ぶつかった相手を見ると、これまた不思議なことに見慣れた制服を着た男の子が目の前にいた。


心配そうに私の様子を伺うその男子に見覚えがあり、首をかしげた。


あれ……?



「あれ?もしかして、A組の小田さん?」

「え……?あっ、もしかして、B組の佐藤くん?」



名前を呼ばれて、タイミングよく彼の名前を思い出すことができた。
そうだ、彼はとなりのクラスの佐藤くんだ。
何度か廊下ですれ違ったこともあるし、うちのクラスに遊びにきている姿を何回か見かけた。どうりで見覚えがあるはずだ。


特別にかっこいいわけではないのだけれど、フレンドリーな性格なのか、うちのクラスにも友達がいて、楽しげに話している姿が印象的な彼。


差し出された手を見て一瞬戸惑ったけれど、遠慮したら逆に失礼かなと、彼の手を掴んで立ち上がった。