「お前、マジでふざけんな」
「……っ、ごめん」
「今日一日無駄にしたじゃん」
「うん……」
となりを見れない。どんなことを言われるのか、どんなことを言えばいいのかわからない。
ただ、大志くんがそばにいる。近くにいて、ふたりきりで流れるだけの時間が愛しい。
終わらないでほしい。永遠に続いてほしい。
「美夜に会った」
「うん」
「で、俺は覚悟を決めた。本気で恋、してみることにしたわ」
──ドキッ。
心臓が反応した。痛んだ。時間が止まったかと思ったほどの衝撃だった。あんなに恋を信じていなかった大志くんなのに。なにが彼を変えたのだろう?
それって、美夜ちゃんと本当の恋をするってこと?
そんなの、そんなの──嫌だ。絶対に嫌だ。
好きだもん。好きなんだもん。ほかの女の子のこと、好きになんてならないで。お願い。
私を、好きになって……。
どっと溢れてくる感情は、わがまますぎる。自分がふたりを引き合わせておいて、それはないだろう。だけど、心の底から取られたくない。
大志くんが誰かを、私以外の女の子を大切にするところを見たら、心が壊れてしまいそう。
「俺はお前が好きだ、ももか」
また、時が止まった。今度こそ、止まった。
言われた言葉を理解するのに、時間がかかる。我慢していた涙がホロっと、頬にこぼれ落ちた。
いま、なんて……?



