今日はもう諦めよう。退散しなければ。


「真琴、あの、私なら大丈――…」


「…お主、優羽を保健室に連れ込んだな…?」


だから帰ろう、と。

真琴の手を掴んだ時には、既に遅かった。


「…は?俺?」


「成敗っ!」


振り向いた時にはもう、真琴が篠倉に飛びかかっていて。

その光景は何と言い表したらよいのか。いや、何と篠倉に謝ればいいのか。
私は真琴を止めることを忘れ、顔面蒼白で立ち尽くした。


そんな私の隣で、西園寺はお腹を抱えながら笑っていた。


ああ、どうしてこうなったんだ。

どうやら王子をオトすには、難関なイベントを攻略しなければいけないらしい。