現実が残酷だった。
思い知った。部長との恋が
愛に変わる事はないのだと。
だって部長の大切なものは
決まっていた。
部長が一番大切にしたい人は
私じゃない。匠海くんだって。
昨日とは違う。
それが願いになっていた。
部長が自分の子供を大切に
思う気持ちこそが何よりも大切だ。
お母さんの言葉を聞いてそう思った。
でも、私は受け入れられない。
今更、どんな言葉をかけられたって
お母さんへの憎しみが
辛かった幼少期がなくなる訳じゃない。
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