先生に心配をかけないように、自分にカツを入れても………

やっぱり塞ぎ混んじゃう。

夏休み最後の日だから、色々作って食べようと思ってたのに……

結局作ったのは…………オムライス。

「唯ちゃん、ご飯お願いね。ちょっと電話してくる。」

寝室に行く先生を笑顔で見送る。

一人になると………

さっき見た、咲ちゃんの姿が思い浮かんでくる。

唯だって……ずっと先生に片思いだったから、分かるんだよね……。

『先生に、彼女がいませんように』って祈るような気持ちで

やっぱりいるかな?

大丈夫だよね!と

一人で落ち込んだり、気合いを入れたりしてるのに……

その相手が唯なんて……ショックだよね。

明日からの事を考えると、気が重くて

作ったオムライスの卵も固まっちゃった。…………美味しくないかなぁ~

自己嫌悪におちいりながら、先生を呼びに行くと

『……うん………そう。………明日から……』と、まだ話し声が聞こえる。

コンコン。

ドアを叩くと

「直ぐ行く~」と、中から声が返ってきた。

盗み聞きをするつもりはなかったんだけど……

立ち去る前に

『明日から……お願い。ギクシャクすると思うから…。
オレが庇うと、返ってまずいし…………。
もちろん、落ち着いた頃オレから話すつもりだから。
……今は、話しても、聞いてくれないだろうし。
とにかく、唯ちゃんが辛くないようにお願いします。
うん…。じゃあ!
…………また明日。……………色々…………ごめん。』

……………咲ちゃんの事で、電話してくれたんだ。

きっと……相手は四人だよね。

いつも、唯の事で心配かけちゃう。

守ってもらわなくてもいいように、強くならないとね。

聞いてた事がバレないように

慌ててキッチンに戻って、スープを温め直した。