本気で困ってる顔をして、ヒカルが
あたしを見つめてる。

こんなに真剣に悩んでるってことは…
相当気に入ったんだろうな。



パーティの参加者で、連絡先交換したい人は
いたの?
と、聞くと。

ふるふると首を振って、
いないよ。あの人だけだよ。と、言う。

それなら…何も悩むことはないでしょ?

…そう…だよね。
あたし、連絡先を渡して帰る。
…頑張る!


元気が出たようで何より。
じゃあ、会場戻って探してみよう?
どんなイケメンか見せてもらわなきゃ。

ヒカルは、うん…とうなずき、
すごく素敵な人だよ。と、赤くなってる。



なんとか、うまくいけばいいな…。


そう思いながら、会場に戻ると。

ヒカルが、その人を見つけたようで、
小さい声で、ほらほら!と、話しかける。

ちいちゃん!あの人だよ。
今、マイク持って話そうとしてる人!


どれどれ。

マイクを持ち、壇上に立った男性が
ニコニコしながら、会場を見渡し、
話し始めた。

皆さん、お気持ちは決まりましたか?


そう話し始めた人は…


…嘘でしょ?


あれ…あたしの…彼氏もどきの…

コウキじゃないの。なんで??


顔が固まっていたようで、
ヒカルが、心配そうに腕を少し引っ張って、

ちいちゃん??どうしたの?
と言っていたけど

頭の中が、真っ白になって…
うまく答えられなかった。