おそらく…言わなくてもいいことを、
言ってしまった。

あ。と、気付いた時には、
その人がクスクス笑ってて。

なんで、笑われてるんだろと思ったら。


いや、ごめんなさい。
そんな感じ…すごい出てましたよ?
と、まだニコニコしてる。

僕も…実は友達に引っ張りだされた口で。
こんなとこ来るのは初めてで…。
でも、皆さんすごい真剣だから。
失礼の無いようにと、頑張ってたんですが…
千恵さんは、こう、ふーんわりしてらして。
あれ?なんかこの人違うなーって。


そ、そうでしたか?
それは、すみません…。

いえいえ!そんな謝る事はないです。
ある意味…お互い様な感じで。
と、また笑う。

僕自身…正直、今、結婚願望がすごい
ある訳じゃ無くて…。
あ、全くない訳ではないですよ?

でも、千恵さんとなら、少し楽に
話せそうかなと思ってしまったもので…。
お誘いしました。
僕の方こそ、すみません…。


なんだか、すっかり恐縮してる…。
思わず、こっちも構えていた力が抜けて
楽になった。


あの…。正直、助かります。

と、言うと。

あ、それはよかった。
と、安心したように笑った。


では、改めてよろしくお願いします。
えっと、お名前…は…


佐久間です!


さくま…さん?
なんとなく、可愛い。
くまさんみたいですね。見た感じも。

…あ、ごめんなさい。

ぷっ。千恵さん、やっぱり面白い。

クスクス笑うくまさんと、しばらく一緒に
笑っていた。