野崎心療クリニックに就職してからは、 怒濤のような日々が過ぎ去った。 訪れる人間全てが僕の駒のように見えた。 「力になるから・・・。 君が今まで味わった苦しみを・・僕に話してくれないか?」 利用されているとも知らずに、呑気に僕を診察室に座らせる野崎先生も滑稽だった。 幼い頃からの全てが結実し、 4人の人間を殺す事が出来た。 僕の人生は幸せだったと言える。