第1章 幼い頃から人を殺すことに興味を持っていた。 なぜそのような感情が生まれてしまったかは分からないが、 当たり前のように呼吸をして、 当たり前のように歩いて、 ほとんど決まった時間にご飯を食べる。 そんな人間が“動かなくなる瞬間”に立ち会ってみたい、 そんな欲求がいつの日からかこの心に芽生えていた。 この欲求は蟻を引きちぎっても、 蚊を叩きつぶしても満たされることはなく、 僕の頭の中は常に人間を殺す妄想で溢れていた。