私の考えをサクラに伝えると、サクラは大きな目を更に大きくしている。

あれ?変な事言っちゃったかな……


でも、そんな私の思いとは裏腹に、


「そうなの‼ありがとう‼‼初めてちゃんとわかってくれたんだよ、アズサが」


ガバッと机の反対側から身を乗り出してサクラが抱き着いて来た。本当に嬉しそうに、何度も『ありがとう』を繰り返すサクラ。

サクラはきっと凄く純粋なだけなんだ――。


サクラの口から『王子様』と聞くと、本当に白馬に乗った王子様を想像してしまうけれど、それは違うんだ。
サクラは見た目とか関係なく、自分を一人の女性として愛してくれる『たった一人の人』を探していて、もし見付かればその人がサクラの王子様になるんだよね。


ヨシヨシと私に抱き着くサクラの頭を何度も撫でてあげる。

サクラももしかしたら、ずっと自分の気持ちを理解してもらえない寂しさを抱えていたのかも。