別の部屋に通されるとゆったりと座れる椅子が置いてあった。
うながされるままにそれに腰かける。
両親はドアのところで心配そうに見守っている。
「さぁ、この指をじっと見て…」
綾音は意識が遠のくのを感じた。
「あなたの名前は?」
綾音に橘が質問する。
綾音は静かに言った。
「平沢かをりです」
両親は驚きを隠せない。
母は父の腕をつかんだ。
「あなたは今どこにいますか?」
「学校…裕ちゃん先生を見てる」
「ふむ。今はいじめられていますか?」
「…はい…」
「気持ちは変わりませんか?」
「…変わりません」
きっぱりと言い切った。
父は目が逸らせない。
「でも」
かをりが続けた。
「彼女さんは良い人だと思います。励ましてくれました」
母は口を手で覆った。
「かをりちゃん…」
すると橘が小さい声で制した。
「しっ…」
「先生のことを諦めることはできませんか?」
「できません」
かをりはまたも言い切った。
「…あなたはもう死んでいて次の人生を生きています。もう自分を解き放ってください」
その橘の発言にかをりは声を荒げた。
「私は裕ちゃん先生から離れない…!だから娘になったの!」
両親は驚いた。
かをりが綾音になったのがかをりの意思だと思っていなかったのだ。
橘もこれは予想外だったようで押し黙ってしまった。
かをりは続ける。
「彼女さん以外の女が先生に近づいたら邪魔をするの」
父はかをりの思いがここまで強いものだとは思っていなかった。勿論母もだ。
でも、母を認めているから今まで出てこなかったのだ。
「あなたはもう死んでいるんです。せめて綾音さんの夢に出てくるのはやめられませんか?」
橘の言葉にかをりは黙った。
「私は」
かをりはゆっくりと言った。
「綾音と記憶を共有する」
その場にいた全員が仰天した。
「いかん!」
橘は叫んで綾音の催眠を解こうとした。
しかし遅かった。
目を開けた綾音は頭を抱えた。
「あ、頭が痛い…」
「綾音!」
両親が駆け寄る。
「綾音さんだね?」
橘が問いかける。
「…はい」
割れるような頭痛の中答える。
すると父と母が目に入る。
すると何かがはじけるような感覚に襲われた。
記憶が流れ込んでくる。
父を始めてみた入学式。大好きになって夢中になった日々…
「あ…ああ!!」
綾音は押し寄せる記憶を止めることは出来なかった。
「綾音!」
肩を父が揺さぶる。
ハッとしたように綾音が父を見た。
そして呟いた。
「裕ちゃん先生…」
そう言ってがっくりと気を失った。
うながされるままにそれに腰かける。
両親はドアのところで心配そうに見守っている。
「さぁ、この指をじっと見て…」
綾音は意識が遠のくのを感じた。
「あなたの名前は?」
綾音に橘が質問する。
綾音は静かに言った。
「平沢かをりです」
両親は驚きを隠せない。
母は父の腕をつかんだ。
「あなたは今どこにいますか?」
「学校…裕ちゃん先生を見てる」
「ふむ。今はいじめられていますか?」
「…はい…」
「気持ちは変わりませんか?」
「…変わりません」
きっぱりと言い切った。
父は目が逸らせない。
「でも」
かをりが続けた。
「彼女さんは良い人だと思います。励ましてくれました」
母は口を手で覆った。
「かをりちゃん…」
すると橘が小さい声で制した。
「しっ…」
「先生のことを諦めることはできませんか?」
「できません」
かをりはまたも言い切った。
「…あなたはもう死んでいて次の人生を生きています。もう自分を解き放ってください」
その橘の発言にかをりは声を荒げた。
「私は裕ちゃん先生から離れない…!だから娘になったの!」
両親は驚いた。
かをりが綾音になったのがかをりの意思だと思っていなかったのだ。
橘もこれは予想外だったようで押し黙ってしまった。
かをりは続ける。
「彼女さん以外の女が先生に近づいたら邪魔をするの」
父はかをりの思いがここまで強いものだとは思っていなかった。勿論母もだ。
でも、母を認めているから今まで出てこなかったのだ。
「あなたはもう死んでいるんです。せめて綾音さんの夢に出てくるのはやめられませんか?」
橘の言葉にかをりは黙った。
「私は」
かをりはゆっくりと言った。
「綾音と記憶を共有する」
その場にいた全員が仰天した。
「いかん!」
橘は叫んで綾音の催眠を解こうとした。
しかし遅かった。
目を開けた綾音は頭を抱えた。
「あ、頭が痛い…」
「綾音!」
両親が駆け寄る。
「綾音さんだね?」
橘が問いかける。
「…はい」
割れるような頭痛の中答える。
すると父と母が目に入る。
すると何かがはじけるような感覚に襲われた。
記憶が流れ込んでくる。
父を始めてみた入学式。大好きになって夢中になった日々…
「あ…ああ!!」
綾音は押し寄せる記憶を止めることは出来なかった。
「綾音!」
肩を父が揺さぶる。
ハッとしたように綾音が父を見た。
そして呟いた。
「裕ちゃん先生…」
そう言ってがっくりと気を失った。

