目元に彼の温かい手が触れる。
「どうしたの?大丈夫?」
「うん…ありがとう…実は、ね…私の病気がね、悪化してるみたいで、もしかしたら…左目からだんだん…見えなくなるかも知れないんだって…その次は右目なんだって…治す方法は…手術だけど確率は30%。失敗すれば…死ぬ確率が高くて、成功すれば見えるようになるんだけど…今まででね、成功した人が…少ないから…30%の人に入れるか…分からないって…」



彼は黙ってしまった。深刻な顔で私の目を見ている。私の目はたぶん揺れているだろう。
「そんな…ことってあるの?さっきの…とまるで一緒…」


「ね?私も、思ったよ。確率がちがうくらいで、」
「…今は?大丈夫なの?」
「今は一応見えてるよ。色は分かんないけどね…」

悲しそうな顔をされた。そりゃそうだよね。





どうしたら笑ってくれるのかな…笑ってほしいな。彼の笑顔が好きなのに…