「誰でも…良かったんですか?」

全てのコトを終わらせた後、解いていた髪をお団子に結び直す私の後ろから問いかけられ、言葉に詰まる。


誰でもー…
きっと別れた彼を忘れられる術がコレだと気付いてしまったんだと思う。

ーなんて言えないじゃない。


彼は、返事は返ってこないだろうと悟ったのか、


「じゃあ、僕は遊びでいいです。
その代わり居候(いそうろう)させて下さい。」


「…え?」


振り返って彼の顔を見ると、ニコニコと変わらない笑顔。


その屈託の無い笑顔にその当時の私は救われた思いだった償いか、それを承諾した。