「今日は紹介しにきただけだから!私たちそろそろ行くね!」


これからデートだ。


やっと堂々と歩き回れる。


その時間を無駄にしたくない。


「またいつでもおいで」


「はい!ありがとうございます。失礼します」


やっぱり社会人なんだなぁ…。


作法とかが大人だ。


「じゃあいってきまーす!」


「いってらっしゃい」


平和に両親に見送られる。


反対されるとはもとから思ってなかったけど、思ったより歓迎の体勢だったなぁ。


「いい両親だな」


コインパーキングまでの道のり、彪斗がそう言ってくれた。


「そう?ありがと。彪斗の両親にも会わなきゃだね?」


「カナダにいるから急ぎじゃなくていーよ。結婚してからでも。たぶん向こうも忙しいから」