「送ってく。俺が一緒なら見つかったときに言い訳できるし」


先生はそう言って部屋のドアをゆっくり開けた。


左右を見回してから、私を手招き。


「部屋どこ?」


「201…」


聞き取れるか聞き取れないかのギリギリの音量で話す私たち。


スリル満点で楽しくなってきたかも。


「真上か…」


部屋の横の階段を音をたてないように上る。


201までの距離はすごく短くて、あっという間だった。


「じゃあな。また明日」


「うん、またね…」


廊下にとどまる勇気はさすがになく、私は自分の部屋に戻った。


まるで夢みたいな時間だった。


卒業したら、先生と結ばれるんだ。


早く卒業したいな…。