「私だけ下の名前呼ぶのはやだ。せ…彪斗も呼んでよ」


慣れない…。


違和感しかないや。


「断る」


はぁー!?


私に呼ばせといて何よっ!


「自己チューだ」


「じゃあ心友からもキスしろ」


っ!!


今呼んでくれたけど…キスの要求!?


絶対やだ!


「か、帰る」


絶対できないよキスなんて。


「……ふーん。じゃーな」


冷たいな…。


冷たくされるのはやだ。


「1回だけだよ」


と早口でいい、ほんの一瞬だけ唇を重ねた。


満足したのか、きゅっと口角を上げ、先生は立ち上がった。