忙しそうに野菜を切ってるのを横目に、私は遠慮なく話しかける。


「お兄ちゃんが私の担任なのに、そのこと教えてくれなかったのっ。しかもなんでお兄ちゃんが担任なんだろって話だよ」


リビングのソファにドカッと座る。


「あら、恭が担任なのね。良かったじゃない。化学みっちり教えてもらいなさい」


そういえばお兄ちゃん化学担当だっけ。


化学も嫌いなんだよね。


水素がどうの二酸化炭素がどうのとかさ…必要ある?


って思うとやる気でないんだよね。


「心友は誰に似たのかおバカなんだから」


「間違いなくお母さんに似てるから」


超バカなお父さんと超超バカなお母さんから生まれた子供が教師できるほどの脳ミソってのがおかしいのであって、私は妥当な学力だ。


お兄ちゃんが突然変異なんだよ。