キーンコーンカーンコーン 嫌な勉強から解放される合図が鳴り響いた。 よし。 もう勉強なんかどうでもいいや。 留年さえしなければそれでいい。 「起立ー、気をつけー、礼」 間延びした号令とともに忌まわしい数学は終了。 「清水先生ーっ!この問題教えてください!」 クラスの女子が清水先生の隣を陣取るのを何となく視界に入れたくなくて、私は教室を出た。 「あー、ちょっと待っとけ、すぐ戻る」 先生がクラスの女子にそう言うのが聞こえた。 そして追いかけてくれてる足音。