現在地すら分からず、半泣きになりながら目の前の階段を上る。


適当に歩くしかないもん…。


「今は朝学だぞ。何やってる」


階段の下からそんな声が投げ掛けられた。


人と出会えたことの嬉しさに、パッと振り向くと、超絶イケメン先生が立っていた。


落ち着いた色の茶髪、スラッとしたスタイル、顔面偏差値はざっと92。


お兄ちゃんとは比べ物にならないよ。


「……聞いてんのか?教室に戻れ」


思わず見とれてしまった。


「あ、違うんです。職員室探してて」