「榊くんっ、私たちと同じ班になろ?絶対楽しいよ!」


上目遣いで榊くんを見上げる茉子ちゃん。


それを沈んだ表情で眺める梨奈。


周りはガヤガヤしてるのに梨奈と茉子ちゃん、榊くんだけが切り取られたかのように別世界。


「お願いっ、榊くん」


……茉子ちゃんにあんな風に言われたら断れるわけない。


「茉子ちゃんがライバルだったら勝ち目ないよね」


梨奈がボソッと粒やいて、榊くんたちに背を向けた。


「蓮井、須藤、俺らと組もうぜ」


そんな私たちに声をかけてくれたのは榊くんとよくつるんでる男子二人。


梨奈もそれに気づいたのか、不思議そうな顔をする。


「だって、榊くんは茉子ちゃんの班でしょ?別行動するの?」