頭から離れない…。


「…はぁぁ……」


何であんな教師のことが頭から離れないんだろう。


嫌になっちゃう。


「…誰もやらないんなら俺がやるよ」


半ば上の空だった私の耳に届いた榊くんの声。


「おー、榊。助かる。じゃあ男子は榊でよろしく頼む。女子は…ジャン─」


「「私やります!」」


威勢の良い二人の声がお兄ちゃんを遮った。


「…須藤と草苅か」


茉子ちゃんか…。


やっぱり榊くんのこと狙ってるんだ。


茉子ちゃんの方を見てみると、にこやかな顔して梨奈のことを冷たい目で見ていた。