大人だなーだなんて思ってたけど、ガキだな。


「先生、ガキだね」


私がそう言えば、先生は鋭い瞳で私を睨み付けてきた。


「腹立つな、お前」


「日頃の仕返し」


普段ムカついてるんだから、今日くらいいいじゃんね。


「…勝手にやってろ」


先生は冷たくご機嫌斜めに言い放って車のスピードを上げた。


「せんせー、怒っちゃった?」


「別に」


うわ…機嫌悪。


「許して?」


先生が悪いのに結局私が─


「キスしてくれたら許す」


「はぁぁ!?」