なんだこいつ。パーシヴァルとか言ったか。日本の警察について割と詳しいような素振りをしていやがる。

 ハッタリじゃないよなと夢木は警戒するように目を眇めた。

「悪いが。課長クラス以下には俺たちについても、調べている内容についても、何も言えない」

 事情があれば別だがなと付け加える。

「すいません。こちらにも規則があります」

「どこの国の機関だよ」

「我々は国に属す組織ではありません」

 ぼろを出してはくれそうもない。しばらく黙ってもそれ以上の説明はなかった。

「どこぞの詐欺師か?」

「そう思ってくれても構わないぜ」

「そうかい」

 俺がどう思おうと、こっちには捜査資料を見る権限があり、お前には阻止できないと暗に言われている。

 むかつくが署長が許可したのなら実際にそうだ。