そして、あの日、彼に「好き」という告白を妨害された彼女は、屋上でも、体育館裏でも、グラウンドの外に植えられた木々の側でも、勿論、彼の居る教室でも、他人に見られると想って顔を隠しながら、想いっきり「素の自分」でいられる場所を探した。
だけど、限界。
彼女は声を圧し殺し、両目に溢れるモノを、ひとしづく垂らしてしまう。
それを誰かが見てた。
了
だけど、限界。
彼女は声を圧し殺し、両目に溢れるモノを、ひとしづく垂らしてしまう。
それを誰かが見てた。
了

![【黒・中編・画】湖面に写る月の環[今昔擬人化小説]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/142243/nc0rrl7caz-thumb.jpg)

