授業が終わって荷物をまとめ外に出る。




「先生ともっと話したかったな…」




でも授業中だし仕方ないよね。
私も成績守らないと先生に嫌われちゃうかもだし…


落ち込んで下向きに歩いていると

「はやくしろよ」

先生がいた。




「え…?」

「送るよ」




嬉しくて、ドキドキしすぎて

ずるいよ…



頷いて先生の車に乗りこんだ。




「先生……?」

「お前、あんま煽んなよ」

「煽るって…」

「俺だって男なんだぞ。1回陽菜のこと知ってるのに…あんなこと言われて抑えられるほど大人じゃない」




ーーーーーなんだ

よかった…


先生も私にそういう感情を抱いていてくれていたんだ。
私だけだと思っていた。



「先生………したい」

「だからお前…ほんと…はあ…」

「な、なんで?だめ?」

「今日はだめ」

「奥さん…もう家にいる、とか?」

「奥さんは今日帰ってきません」

「じゃあ…!」

「大事にしたいんだよ。お前のことはやっぱりそんな適当すぎることは出来ねえよ…」



嬉しいけど。でも。


私がそれを望んだんだよ。
今更セーブかけないで。


少しでも沢山先生に触れたいよ。
好きなんだもん。
大好きなんだもんーーーー




「じゃあせめて…ご飯食べていかない?一人ご飯寂しいから」




両親を失ったことを知っている先生に

またずるい策を使った。