ほんの少しだけ僕は嬉しくて
ほんの少しだけ僕は悲しかった。

あの至が誰かの意見に
賛同するなんて今までなかったから。
その姿を見られた事は嬉しかった。
でも、もしかすると、至も
白咲さんに好意を抱いているのかも
しれないと思うと悲しかった。

僕には分からない事が至には分かる。

考えてみれば当たり前な事だ。
だって、至と白咲さんは
同じ立場にいる人間だから。