二人で会社に駆け込むと、同僚たちが、
ぎょっとした顔であたし達を見ていた。


…な、何…?


横にいたノリちゃんに、小声で
何?どうかした?って聞くと。


何はこっちのセリフだよ。
なんで、そんな二人ともボロボロの顔して
一緒に来てるのよー。
まさか、昨日…?


ああ!そう言うことか…!


ないないない!
わざと、大きな声で言った。

ひどい顔なのは、飲み過ぎたからで
一緒に来たのは、うっかり寝坊して。
あんたもでしょ?と、ヨシタカに聞くと。

俺、目覚ましかけ忘れて寝ちゃったよ。
顔洗ってないー。と、笑うから、


やだねーヨシタカ。
顔洗ってこいよー。と
みんな、笑ってくれた。


ふぅ。しっかりしなきゃ。
あたしは、子供じゃないんだから…。


その日の仕事がやっと終わって。
疲れた身体を引きずるように、部屋に帰り
泥のように眠った…。


朝、いつもの時間にアラームが鳴り。

シャワーに入ると、
だいぶ頭がスッキリした。

お腹がくぅと鳴り、少し驚く。

落ち込んでても…腹は減るって、
こういうことよね。

一人、つぶやいて笑う。

ちゃんと朝ごはんを、食べて。
着替えて、しっかり化粧もして。

よし。出来た。

前を見よう。
悲しかった記憶を、抱えたままだけど。


下を向いてたら…涙しか出ない…。

いつまでも、泣いてるだけじゃいられない。