春も随分過ぎた週末。
あたしは…
大好きだった人に、別れをつげられた。
悲しくて、悲しくて。
もうあたしの人生史上、こんなに泣いたことはないってくらい…泣いた。
優しくて、大人で、カッコいい…。
もうあんな人には、出会えないかも。
そんな人に、大切にされていたのにな…。
好き過ぎて…。
ワガママも言えなかった。
嫌われたくなくて…。
なんでも岸くんの言うとおりに合わせてきた。
だから?
いつのまにか…悲しそうな顔してる岸くんに
気づかなかった。
無理させてるみたいだから。
最後は、そう言われた…。
そんなことない!
あたし、岸くんのこと、大好きなんだよって
言っても。
…首を振るだけ。
もう戻れなくなってた。
岸くんの、決意がかたすぎて。
あたしの声は、届かなかった…。
その日も、次の日曜日も、
どんなに、電話しても出てくれなかったから。
あたしは…
別れを受け入れるしかなかった…。
もう、あたしを好きな気持ちは無いんだ。
二度と、あの笑顔で笑ってもらえないんだ。
期待するだけ…無駄なんだね。
ほんとに…終わってしまったんだね。
信じられない…。
どうやって生きていけばいいのか…
わからない。
絶望しか、あたしには残らなかった。