「また床で寝てるのか。」



瞑っていた目を開けると田淵が横に立っていた。



右手には中身がたくさん入っているであろう買い物袋を持っている。



「今日って来る日だったっけ」



私が起き上がりながらそう聞くと、田淵は首を横に振りながらキッチンに立つ。



「お前台風の時はほんとになにもしないだろ。だからご飯も食べてないだろうって思って。」




そう言いながら田淵は手馴れた様子で何かを作っていく。




田淵は毎週月曜日にご飯を作りにやってくる。



家政夫という訳ではない。



ほっておくと何も食べない私を心配するお節介な友達、といったところだ。