次の日、大きめのボストンバックに最低限の荷物を入れて持ってきた田淵をとりあえず空いていた客室に押し込んだ。



「あの、お世話になります。」



「こちらこそ。」



田淵と机を挟んで向かいあって、お互いに頭を下げる。



外ではまだ雨が降り止んでいないようだ。



「何個か、お願いいいですか。」



「はい。」



「ご飯食べたら、たぶん部屋にすぐ入ると思いますが、就寝時間が早いだけなので気にしないでください。」



「うん」



「あと、朝は、時計のニュース番組しか見ません。」



「はい。」



「あと、家賃は取らないので、ご飯は全部お任せします。家事とかはしたくなった方がする方式で。洗濯は各自で、お願いします。」



「りょうかいです」



私はそこまで言い切ると俯いた。



2人で話し合い、とりあえず同居は夏休みが終わるまで。



それからまた状況を見て、同居を継続か終了か考えよう、ということになった。