「はっ」

と短く、最後まで見下した感じの笑みで、会長は私と先輩の横を抜けた。

手だけが振られる。

「まぁ、がんばって綺麗な花咲かせろよ、園芸部」

やっぱりそれも見下した口調。

「そんなの言われなくてモ゛っ!?」

「はいはーい、がんばって綺麗なお花、咲かせまーす♪」

さっきまでの清らかな心地がぐちゃぐちゃに踏んづけられた気がして、思わず噛みついたけれど。

パッ、と先輩の手で口に蓋をされてしまった。

そんな瞬間さえ、横目でちらりと笑って、会長は校舎の向こうへ曲がり去った。

それを見計らって、

「ぷはっ」

と、先輩から脱出。

「なにするんですか先輩っ。どうしてあんな態度で……」

「うんうん、落ち着こうねしおちゃん」

「でもぉっ」

「うんうん、しおちゃんは知らないだろうけど。あの会長がね、全部活の予算決めてるんだよね」

「だから……コビ売るんですか?」

「まぁ、ね。……あ、あとそれにさ」

いったんうなずいた先輩は、そこでニヤッとした。