マーガレット達に一目惚れしたのは本当。

だけど、差出人のわからない手紙を何度か見るうちに、私の中でも小さなつぼみが育ってた。

メッセージカードを、胸に抑えつける。

胸の内側から、心臓が鳴ってるのを感じた。

私、ドキドキしてる。

手紙の人に喜んでもらえて、褒めてもらえて、やったって思ってる。

そう……私、恋してるんだ。

差出人もわからない手紙の相手に。

たぶん、男の子だと思う。

一度だけ、自分のことを『僕』って書いてる手紙があったから。

毎日一通。

放課後の花壇に置かれる、短い手紙。

自分のやる気だけじゃなくって……。

手紙に励まされて、マーガレットの世話を続けることができた気もする。

「ああっ……どんな人なんだろう。ね? どんな人だと思う?」

しゃがみ込んで、ずっと一緒に私とだれかのやり取りを見ててくれたマーガレットに訊いてみる。

すると、

「っ、るっせぇな……」

「え?」

なぜか、あるはずのない返事が……