会長はお花がお好き

「――ふ」

彼が、小さく不敵に笑いながら、離れた。

「やっぱ思った通り。――花みたいにかわいいヤツだな、お前」

「う……」

「覚えとけ、その花びらは俺とお前の絆だかんな」

「……」

「な?」

真っ正面から見つめられて、顔が火照るのを感じた。

「お前は今から正式に俺のものだ。花壇の花よかずっと大事にしてやるよ。わかった、な?」

「は、はい」

とうなずくのに、すごくエネルギーが要った。

満足げに「よし」と笑った会長が――

ふと、目を下にやった。

「あーっ!?」

「ななっ、なに!?」

いきなり叫ばれて驚く。

会長は私を横にどかさて――自分でも気付く。

パネルの、マイクの横のスイッチが、赤く光ってる。

っていうことは……

「くっそ!」

と会長の舌打ち。

「しおりのかわいい声聞かれた! 全校生徒に聞かれたああっ!!」

「ええええっ!? そそ、そんな会長!? わ、私……もぉいやぁーっ!!」