先輩が、マーガレットのつぼみを開くまで、もう少しだから……と教えてくれて。

それから毎日、放課後、彼女達のめんどうは私が見てきた。

そして今日、ようやく咲いてくれて。

じょうろを片手にやって来た私は、思わず、微笑んでしまった。

「やっと咲いたよ」

と、言葉をかけるのは……

花壇のふちに差し置かれてる、一枚のメッセージカード。

そこには、止め跳ね払いがとても綺麗な字で。

『とても綺麗に咲いたね。君はがんばったよ。おめでとう』

そう、書いてあった。

花壇の手入れをするようになってから、何度かして。

いつのまにかそこに飾られるようになった、置き手紙。

差出人はどんな人か、わからないんだけれど。

きっと、思いやりのある素敵な人で。

優しくて繊細で、とても心が綺麗なんだって、勝手に想像してしまう。

じょうろを置いて。

ゆれるマーガレットの足元からメッセージカードを抜き取る。

短い文章を読み返すだけで、嬉しさが込み上げてきた。

花が元気に咲いてくれて。

そして、この人も一緒に喜んでくれて。

私も、すごく嬉しくなった。