彼は、私の反応を盗み見ながら、マイクに向かって、言う。
「僕は毎日、ひとりの園芸部員を見てきました。彼女はいつも花壇の手入れをし、こないだ見事に、綺麗なマーガレットを咲かせました」
その『彼女』は、間違いなく私だ。
じゃあ、ずっと見ていたっていうのは、やっぱり……
「僕はずっと、彼女を励ましました。素直に気持ちを伝えられる勇気がなかった僕は、毎日、彼女のためにメッセージカードを用意しました」
ちらりと彼が私を見る。
私は、カードをギュ、と胸に当てた。
ど、く。ど、く。
鼓動が、手のひらを叩いてくる。
「僕は、マーガレットが咲いた日、初めて彼女と直接言葉を交わしました。その時、初めて彼女の柔らかい笑顔を見て、こう思いました」
一呼吸置いた会長は、そして私に、にかりと笑った。
「僕は彼女を――しおりを好きになってよかった」
うおおおおぉぉぉ――!?
放送室の外で、今の放送を聞いていた生徒が、雄叫びをあげたのが聞こえた。
その雄叫びが、彼の告白が、手の中のメッセージカードが、私に染み込んでくる。
「僕は毎日、ひとりの園芸部員を見てきました。彼女はいつも花壇の手入れをし、こないだ見事に、綺麗なマーガレットを咲かせました」
その『彼女』は、間違いなく私だ。
じゃあ、ずっと見ていたっていうのは、やっぱり……
「僕はずっと、彼女を励ましました。素直に気持ちを伝えられる勇気がなかった僕は、毎日、彼女のためにメッセージカードを用意しました」
ちらりと彼が私を見る。
私は、カードをギュ、と胸に当てた。
ど、く。ど、く。
鼓動が、手のひらを叩いてくる。
「僕は、マーガレットが咲いた日、初めて彼女と直接言葉を交わしました。その時、初めて彼女の柔らかい笑顔を見て、こう思いました」
一呼吸置いた会長は、そして私に、にかりと笑った。
「僕は彼女を――しおりを好きになってよかった」
うおおおおぉぉぉ――!?
放送室の外で、今の放送を聞いていた生徒が、雄叫びをあげたのが聞こえた。
その雄叫びが、彼の告白が、手の中のメッセージカードが、私に染み込んでくる。

