会長はお花がお好き

「私、……私はあの、会長より、この人に逢いたいんです……っ。私――」

その目の前に、

「じゃあ逢わせてやる」

会長がスッと、なにかを差し出した。

長方形の、白い――メッセージカード。

そこには見慣れた文字。

『伝えたいことがあるんだ。放送室で待っています』

そう、書いてあった。

「え……会長が……」

瞬間、あまりの衝撃にほうけて、同時に、やっぱりっていう嬉しさが、花開いた。

なんで、こんなに強引でえらそうな人なのに、私、嬉しいんだろう。

恥ずかしがってるのか、顔の赤いような会長が、メッセージを私に手渡す。

「伝えたいことがあるって書いてあるよな?」

そして、室内のマイクの横にあるスイッチを、彼は押した。

スイッチが赤く灯って、スピーカーがつく。

「ただいまより、みなさんが生徒会長からお知らせがあります」

――あります、と、外で会長の声が遅れて響いた。