会長はお花がお好き

「えっ、なになにこれ? 生徒会長の声? えっ? しおりって……しおりのこと?」

友達が首を傾けて、私と、校舎のスピーカーを交互に指差す。

違う、私じゃないしおりだよ。

私は会長と親しくないし……

ほとんどなんの会話もしてないに近いし……

私が、彼の花びらでどうにかなってしまったかも……微妙だし……

『しおり! 今すぐに俺のとこに来い!』

冷静になってよしおり。

私は……

メッセージカードの人に恋してて……

会長には、ただ、強引に言葉を叩きつけられただけで……

だから、

『来い、しおり!!』

だからっ、

『俺はお前に、自分の言葉で言いたいことがあんだよっ!!』


私は――!!

「ごめんっ、私やっぱり!」


「えっ、あ、しおり!?」

いたたまれなくなって、走っていた、

走って校舎に戻って、上履きに履き替えて。

俺のとこへ来い――って言われて。

私は、彼がいる放送室に走っていた。