そよぐ風は爽やかで、若草色のように柔らかく。

広い空は鮮やかで、桜を泳がせて香り高く。

花壇に揺れる花達は、放課後のうたた寝を楽しむように、細い茎の上で花びらを右へ左へ揺らしていた。

真っ白くて細長い花びら、星がついたような真ん中の黄色。

上品で、清楚。

マーガレット。

かわいくて可憐な花。

実はちょっとだけ、このマーガレット達を、私の子供達みたいに思ってる。

私が入学した時にはもう彼女達は、みんなで背ぃ比べを始めていた。

ゆらりゆらり、眠ったつぼみを空に向け。

そんな、声のないセレナーデを歌っているような気がした彼女達に一目惚れして、私は園芸部に入った。