必死に受け入れようとしても、拒否反応が起きているのか、目の奥がつんと痛くなる。
瞳に涙の膜がはられ、目の前がかすんでいく。
「じゃあ……なんで昨日あんなことなったの?」
『雰囲気に流された。それは謝るわ』
「わたしのこと、どう思ってるの?」
『何言ってんの。友達でしょ。それ以上でも以下でもねーよ』
ぽろりと一粒、涙があふれ出した。
彼を一発殴ってやりたいのに、今わたしは東京にいる。無理だ。
頭をかかえ、カウンターに突っ伏した。
いや……祐希を責めたところで、取り返しはもうつかない。
祐希が麻里奈さんと別れていたとしても、わたしには光くんという彼氏がいる。
彼氏がいるのに、あの時、祐希と手をつなぎたい、キスしたい、もっとくっつきたいと思ったのはわたしだ。
境界線を越えたいと思ったのは、わたし自身だ。