「2人とも来てたのね?だったら、一緒に食事すればよかったわね、望さん。」
能天気なママの声と表情が、後ろの人物にも向けられる。
そこにはゆう君のお母さんの望さんがいた。
そうか、今日のママのお出かけの相手は望さんだったのか。
しかも、食事はここだったのね・・・。
「本当に!ねえ、伊知子さん。・・・悠理、久しぶりじゃない?だいたい、家にも寄り付かないで、たまには顔を見せなさ・・・!ねえ、それ・・・指輪?えー!悠理があげたの?えー!それは、そういうことなの?!」
口に手をあてて、急に興奮する望さん。
「あら、ホントだわ。見たこと無い指輪ね。・・・もしかして、今日、もらったの?法子。」
望さんに言われて、私の手元を覗き込むママ。
今も、私の左手はゆう君の掌の上にある。
外すタイミングも、隠すタイミングも、すっかり逃してしまった。
「え?あー、えーと、えーと・・・。」
口をパクパクと動かして、何と答えればいいのか急いで考える。
でも、頭って本当に真っ白になるんだね。
想定外の咄嗟の事がおこって言葉が出てこない。
見るからに挙動不審の私。
何を言っても誤解される気がして、なかなか言葉が見つからない。
「悠理!いつから?いつから、のりちゃんと付き合ってたの?・・・それ婚約指輪?もしかして今日はプロポーズとかしちゃったりしてたの?」
さらに畳み掛ける、ウキウキしている望さん。
付き合ってもいないのに、プロポーズなんて飛躍しすぎだ。
どんどん進む話にオロオロする私。
変な汗が出る。
「え?プロポーズ?・・・法子、どうして付き合っていること言ってくれなかったのよの?知っていたら、ゆう君にお見合いの話だってしなかったのに・・・法子、ゆう君、ごめんなさいね。あらやだ、今も私たちは2人のお邪魔なんじゃない?」
いつものママとはぜんぜん違う、まるでテレビの再現ドラマに出てくるおばさんのように、お芝居しはじめた。
望さんもそれに合わせる。
ニヤニヤして、お口に手を当てて。
「あ?そうですね。・・・さっさと退散しましょ!」
「そうね、そうね。法子、先に帰ってるわね。あっ、そうだ・・・帰らない時は、連絡だけは入れてね。パパには私から上手く言っておくから。」
はあ~?
望さんもママも思い込んだら一直線タイプ。
口を挟む暇もくれない。
空いた口が塞がらないとは、今の状況だ。
「え?!いや、ちょっと待って!!」
後を追いかけようとした私の肩をゆう君は掴んできた。
「ゆう君・・・?」
振り返りゆう君を見れば、何も言わずにゆう君は首を横に振り、私を制した。
能天気なママの声と表情が、後ろの人物にも向けられる。
そこにはゆう君のお母さんの望さんがいた。
そうか、今日のママのお出かけの相手は望さんだったのか。
しかも、食事はここだったのね・・・。
「本当に!ねえ、伊知子さん。・・・悠理、久しぶりじゃない?だいたい、家にも寄り付かないで、たまには顔を見せなさ・・・!ねえ、それ・・・指輪?えー!悠理があげたの?えー!それは、そういうことなの?!」
口に手をあてて、急に興奮する望さん。
「あら、ホントだわ。見たこと無い指輪ね。・・・もしかして、今日、もらったの?法子。」
望さんに言われて、私の手元を覗き込むママ。
今も、私の左手はゆう君の掌の上にある。
外すタイミングも、隠すタイミングも、すっかり逃してしまった。
「え?あー、えーと、えーと・・・。」
口をパクパクと動かして、何と答えればいいのか急いで考える。
でも、頭って本当に真っ白になるんだね。
想定外の咄嗟の事がおこって言葉が出てこない。
見るからに挙動不審の私。
何を言っても誤解される気がして、なかなか言葉が見つからない。
「悠理!いつから?いつから、のりちゃんと付き合ってたの?・・・それ婚約指輪?もしかして今日はプロポーズとかしちゃったりしてたの?」
さらに畳み掛ける、ウキウキしている望さん。
付き合ってもいないのに、プロポーズなんて飛躍しすぎだ。
どんどん進む話にオロオロする私。
変な汗が出る。
「え?プロポーズ?・・・法子、どうして付き合っていること言ってくれなかったのよの?知っていたら、ゆう君にお見合いの話だってしなかったのに・・・法子、ゆう君、ごめんなさいね。あらやだ、今も私たちは2人のお邪魔なんじゃない?」
いつものママとはぜんぜん違う、まるでテレビの再現ドラマに出てくるおばさんのように、お芝居しはじめた。
望さんもそれに合わせる。
ニヤニヤして、お口に手を当てて。
「あ?そうですね。・・・さっさと退散しましょ!」
「そうね、そうね。法子、先に帰ってるわね。あっ、そうだ・・・帰らない時は、連絡だけは入れてね。パパには私から上手く言っておくから。」
はあ~?
望さんもママも思い込んだら一直線タイプ。
口を挟む暇もくれない。
空いた口が塞がらないとは、今の状況だ。
「え?!いや、ちょっと待って!!」
後を追いかけようとした私の肩をゆう君は掴んできた。
「ゆう君・・・?」
振り返りゆう君を見れば、何も言わずにゆう君は首を横に振り、私を制した。

