蓋をあけてみれば、学校のカリキュラムが終わった日から、毎日、寮ではお別れ会をやっている。
昨日も参加したんだから、今日はいかなくてもいいよね?
そう自分に言い聞かせる。
だって、今日はゆう君と2人だけのクリスマス会を約束した日。
途中で食事の材料を、マーケットで買い物しながらゆう君の家へと向った。
最後の料理、少しだけでも褒めて欲しくて、調べに調べたレシピ。
「すごい」て言ってくれるかな?
ゆう君の部屋は、いつもあまり汚れていない。
それでも、ここへきた時は必ず掃除をする。
洗濯物も最初は嫌がっていたゆう君も、今は、普通に任せてくれるようになった。
私の躾の賜物!
その掃除も洗濯も今日で最後・・・。
ここに置いてもらっていた、私の服や化粧品などをバッグに詰める。
少ない量なので、あっという間に終わるのが悲しい。
気を取り直して料理を進めると、意外と良い出来に仕上がったから、気分が少し上昇!
大体の料理ができた頃、ゆう君の帰ってくる車の音が聞こえた。
「おかえりなさい!」
玄関ドアまで迎えに行くと、ゆう君は鼻をくんくんさせた。
「ただいま・・・すげーいい匂い。」
そんな事を言われると、すごく嬉しい。
私だけにくれる「ただいま」も。
私が作った料理が、いい匂いだって言うのも。
お風呂にする?
ご飯にする?
それとも・・・?
「一応、クリスマス・パーティーだからご馳走を作ってたんだ。」
「もう、できてる?」
「うん!だいたいね。」
「オレ、昼も忙しくて食べてないんだよ・・・。」
「・・・じゃあ、少し早いけど、始めちゃう?」
・・・なんだ、ご飯にするのね。
時計を見れば15時を少し過ぎたところだった。
「じゃあ、すぐにシャワー浴びてくる。」
あ・・・お風呂だった。
それとも、わ・た・し?なわけないか。。。
ゆう君がシャワーを浴びている間に料理の仕上げをしてテーブルに並べた。
夜は寮に帰る予定。
ゆう君が送ってくれると言ってたから、ワインでカンパイしたいけど、運転ができなくなるもんね。
雰囲気無いけど、仕方が無いよね。

