「どこ行ってたんだよ。・・・こちらは?」
伊野君がゆう君に気がつく。
「こちらは・・・。」
いつも、ゆう君を紹介するとき、私は困る。
いとこと言えば良いのだけど、私の好きな人だから・・・。
「阿川です。・・・ノリとは、日本からの知り合い。・・・ノリ、入れよ。疲れただろうから、早く休めよ。」
「え?・・・うん。送ってくれてありがとう。またね。・・・伊野君も、学校でね。」
そう言って女子寮へと入った。
入り口のところで振り返れば、伊野君がゆう君にお辞儀をして男子寮の方へ走って行くのが見えた。
ゆう君はいとこだと言わなかった。
きっと、ずーと前から私の考えていること、気持ちをわかっているんだ。
でも、言わないのは、このままで良いってことかな・・・。
無理に諦めなくても良いってこと?

