「意外とノリが原因なんじゃないのか?」
「違う、違う!絶対無いよ。」
そんなことあるわけない!
なんで私?
うちの会社にはもっと綺麗どころがたくさんいるから、内勤という外部との接触が無い事をいい事に、薄いメイクしかしない私が対象になるわけがない。
「・・・とにかく、付き合いで飲み会に行くのは仕方がないけど、1杯まで。それ以上飲む時は、オレに電話する事。迎えに行くから。」
は?
うちのパパでもそんなこと言わないよ。
「迎えに来なくていいよ、大丈夫。ゆう君は、忙しいんだから。無理しないでよ。・・・私だって大人だよ!そんなにお酒に弱くないよ。」
「じゃあ、あの時はどんだけ飲んだよ。・・・どの口が言ってうんだか。」
更に呆れ顔をされた。
一息つくようにコーヒーのカップをカッコよく口に運ぶから、私もつられて飲む。
ちょっと冷えたカフェオレは、苦味が強くなる。
ゆう君のカップをテーブルに置く音が、少し大きく感じた。
「・・・ノリは、オレが見合いした方がよかった?」

