「え?どういう事?」
「・・・彼女を放って、いとこを優先する事が気に入らなかったらしいよ。」
なんでも無い事のように言うゆう君。
「じゃあ、私のせいで・・・別れたの?」
もし私のせいなら、ゆう君に悪いことをしてしまった・・・。
あの日、お酒を飲まなければよかった!
一気に悲しくなり視線を下げる。
「ノリのせいじゃない。・・・オレが彼女を1番だと思えなかっただけ。なんで、思えないんだろうなあ。一緒にいてもそれなりに楽しいとは思えるし、大切にもしていたつもりなんだけど・・・。まあ、あの時は、彼女よりノリが大切だったのは本当の事だし。・・・だいたい、あんなに足にくるまで飲んで、何かあったらどうするんだよ。」
まったく、と呆れる顔をするゆう君。
1番と思えない、と言うゆう君の発言にビックリする。
ゆう君は、好きだから女の人と付き合う訳じゃないの?
一緒にいて楽しいという事は、好きなんじゃないの?
聞きたい疑問を無理に飲み込む。
「会社の飲み会だし、何もあるわけ無いよ。」
こっちも呆れるように、違う、違う、と手をパタパタ振る。
会社だよ?
無い、無い。
2人でとか、誘われたこと無いし!
「・・・ノリを抱えていたあの男に口説かれた事ない?」
「抱えて?・・・ああ、桧山(ひやま)の事?彼は同期の中で仲が良い友達だよ。それに、最近まで彼女もいたし、私のことなんて女として見てないよ。」
「・・・なんで、別れたか理由は?」
「知らないよ~。」
そんなゴシップネタに興味ないよ。
逆にゆう君が興味あることが意外で、びっくりだよ。

