「ちょっとまてよ!お前、俺の応援してくれてる訳じゃなかったのか!」

瑛莉に噛み付く桧山はちょっと焦っている感じだ。

「え!ん〜、応援はしてるけど、背に腹は変えられないというか・・・今回はこっちが優先だわ。だって相手はうちの海外事業部だよ!花形の部署じゃん。こんな大物は繋ぎを付けておきたいから、穴をあけるわけにいかない!・・・それに、法子もいろんな男を見て、あんたが一番マシだ、と思ってくれたら話はスピーディーに進むと思うよ。」

目をスマホから離さずに桧山に言い訳するのところ・・・片手間に相手をしているみたい。

「そんなことないだろ!?・・・でも、急にグイグイ押すのも国分が戸惑うだろうから、今回は引くよ。これから徐々に攻める事にするから。」

最後、変なこと宣言された気もするけど、この話し、今日は終わりそうだ。

「よし!桧山の許可も貰ったし、じゃあ、明後日だかね、法子。後で、詳細おくるからね!」

決意を込めてゆっくりと強く頷いた。






この後、初めての合コンでゆう君を忘れる事ができるかもしれない相手と、巡りあえる事や、それをすぐに断る事になることも、私はまだ何も知らなかった。

桧山もこの時、法子を手に入れる最大のチャンスを、逃していた事も、法子を二度と手に入れる事ができないことも、この時は、予測すらできずにいたのだった。




番外編  合コンに行くと決めた日 <end>