長い間、手入れのされていない墓石は、朽ちかけてみえる。 この墓地には、そんな墓石が他にもたくさんあった。 訪ねる者がすっかり絶えた、無縁仏も多いのだろう。 「だからここなら、きっと寂しくないよね……?」 エリアルは、墓石を指で撫でると、 「じゃあね。 ……ダリウス…… 『父さん』」 その場所を、後にした。